施設設計:西沢立衛建築設計事務所
青森県十和田市西ニ番町10-9
開館時間
展示室=9時~17時(入場は30分前) カフェ・休憩スペース=9時~17時30分
休館日=月曜日(祝日の場合翌日)
常設展示作品は21名の作家による22点の作品
観覧料
一般=500円、団体20名以上(400円)高校生以下無料
(企画展示の場合は別途観覧料が必要です)
好きな芸術家のロン・ミュエックの「スタンディング・ウーマン」を見に、美術館がオープンしてからまもなくのタイミングで訪れました。青森は温泉巡りで何度も来ていたのですが、十和田市は初めてでした。
先日ニュースで廃止か?との報道があった十和田観光電鉄十和田市駅から中心部までは案外距離がありました。二十分以上は歩いたような…
しかし、市中心部の1.1キロの官庁街全体を美術館と見立てアート展示やアートプログラムを企画・実施するという斬新なコンセプトの美術館でした。建物の中にアート作品を展示するのではなく、アート作品をどう見せるかとういのが先で、建物はそれに見合った設計、あるいは建物自体がアートになるという優れた手法です。さすが、現代アート作家並みの建築家西沢氏の手にかかるとこうなるのですね…
舗道を歩いていると、地元にゆかりがありそうな彫刻群が現れてきます。
余談ですが、十和田市は熊本のように馬肉(桜肉)の産地だそうで、夕食に頂きましたが絶品でした。握りが特においしかったです。
椿昇 の「アッタ」
突然変異で巨大化した真っ赤なハキリ蟻。コスタリカに生息するこの蟻は意外にも木の葉を切り出し、菌床を作ってきのこを栽培しそれを食べる農耕蟻です。
消費社会に警笛を与えるというテーマがあるそうです。
フェデリコ・エレーロの作品
「ウォール・ペインティング/ミラー」
三層吹き抜けの階段の壁面、屋上、壁、床、天井と所かまわずキャンパスへ大変身です。
下絵もなく、わずか三週間で描きあげたそうです。
カフェ・休憩スペース棟 の外壁ペインティングアートはポール・モリソン
「オクリア」
神話に登場するりんご(青森ですものね)の木をモチーフにしているようです。夕方の街並にかなりインパクトがあります。
床のアートを描いたのはマイケル・リン
「無題」
テキスタイルからとった伝統的な花模様を床などに描くことで世界的に有名なアーティストです。十和田市の伝統工芸の南部裂織からイメージした花模様のコラージュを描きました。
ひと際目を引くのはチェ・ジョンファンの
「フラワー・ホース」
旧陸軍軍馬補充部が設置されていたことから「駒街道」の愛称で地元市民に親しまれているそうです。
そうした十和田市と馬との関わりと四季折々の花々の存在を表している作品です。
外からも覗ける作品はスゥ・ドーホーの
「コーズ・アンド・エフェクト」
中で見ると、赤、オレンジ、透明のグラデーションが美しい作品。樹脂製の数万にも及ぶ人形彫刻が天井から放射状に吊り下げられています。
シャンデリアのように輝く作品のテーマは輪廻転生だそうです。
一番の見どころです。
巨大少年像〝boy〟で世界に衝撃を与えたロン・ミュエックの 「スタンディング・ウーマン」
高さ4メートル近くある女性は圧倒的迫力です。肌、皺。血管、髪の毛にいたるまで全てがリアルです。思わず学芸員の方にどうやって搬入したのか聞いてみました。答えは…
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